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2012年10月21日 (日)

2012.10.20 NHK新人演芸大賞 #落語

96人のエントリーから選ばれた5人が闘う、決勝の高座を観に行ってきた。
渋谷のNHKふれあいホール。
300人くらいのキャパのホールだ。
準備の遅れで本番は30分遅れで始まった。
ディレクターが前説を担当した。
なかなか上手いが30分繋ぐのは無理。
前座で入っていた、ございます君とけい木君も飛び入りで繋ぐことに。
どんな決勝大会だったのか・・・
結果を受け止めて、さてと、書き始めましょうか。

■春風亭ぴっかり 落語 反対俥
当日のくじ引きでトップバッターのくじを引いたのは、なんとぴっかりちゃんだった。
高座時間が10分程度だったので、探りも入れられずマクラ無しで噺に入った。
でもぱっと会場を温める天性の力が発動して、ぴっかりワールドになったように感じた。
(これが映像で伝わっているのかは、後の楽しみ)
韋駄天の俥屋がかなりヴァージョンアップしていた。
これが演芸大賞ヴァージョンだったのか。
審査員からは、「女を捨て・・・」という感想も聴かれたが、見た目と高座の落差も彼女の魅力。
小さな体でのダイナミックな動き。
これが師匠が授けた作戦だったのか。
パワーとスピードと笑いが伝わった高座に仕上がっていた。
それ以前にインパクトが強かった。
私はこのヴァージョンを初めて観たが、いい出来だと思った。
高座を終えた瞬間、勝利を確信したヒロクンであった。

■桂二乗 落語 癪の合薬
上方から二乗さん。
コテコテの古典を、しっかりと真面目に演じたという印象。

■桂宮治 落語 元犬
二ツ目になって8カ月。一番キャリアの浅い宮治君の登場だ。
ぴっかりちゃんより更に3カ月浅い。
彼の元犬は定席で観ている。
時間の関係で省略した部分はあったが、ほぼ定席そのまんまな演技だった。
演芸大賞ヴァージョンといった演出は無かったと思う。
ふだん着の高座。でもそれが可笑しい。
なにも考えずに精一杯いつもの笑顔で普段通りにやった、と見せるのが計算だったとしたら、それは宮治システムの勝利なのではないか。
それは置いておいて、噺はシンプルなだけに難しいと思うが、このキャリアであの完成度はすばらしいと思った。
審査員は、犬が見えたと言ったが、私には豚が見えた(笑)

■春風亭昇吉 落語 たがや
昇吉君のたがやも定席で観ていた。
定席でもまくら無しで演っていた。
浅い時間に上がって、客席を温める為にもマクラ無しは入り辛いかなと
その高座の時は思った。
定席はこの大会のための練習試合の位置づけだったのかもしれないと、今は思っている。
しかし髪型はNHKヴァージョンになっていた(笑)

■笑福亭喬若 落語 長短
関西弁の長短は強弱というより、ボケとツッコミ感が強かった。
上方だなぁと感じた落語だった。

審査時間というインターバルに入った。
色々な思いが頭を駆けめぐった。
正統的な古典の形を演者の形で追求した3名と、自分の形で作り替えたのと、敢えてこの大賞向けに造り上げた5名の戦いであった。
日本の話芸的な芸が好まれるのか、
「新人」という冠が示すアバンギャルド性は考慮されるのか
全く違うインパクトなのか。
私の中では、宮治君かぴっかりちゃんが琴線を打ったのだけれど、キャリアの浅い二人はこれを勉強にして次を狙ったほうがより大きくなれるのではないか。
上方のしっかりした古典。落語の原点を伝承している10年キャリアの人にあげることで落語を再評価してもいいんじゃないか。
文枝襲名の勢いもあるし。
若者への影響も捨てられない。
昇吉君のピュアな噺とビジュアルや柑橘系のすがすがしさもこれからの落語界の武器だ。
色々と頭をめぐりました。

審査発表・・・・


優勝は・・・・・


桂・・・・・・

どっちだよ

宮治

そっちに来たか!

でも私は拍手を贈っていた。
良かった事に間違いは無かったから。

しっかりとした古典だけでもなく、狙って崩し過ぎもしない。ビジュアル的であはる。将来性は明確ではないが華がある。というキーワードだけで彼を評価したとしたら、その審査員は、責任をしっかりと受け止めてほしい。
キャリアの一番浅い彼を選んだということ。
この芸がいいんだと彼が思ってしまったら、彼は道を決めきれずに、のびしろを使えずに終わってしまうかもしれない。
そういうリスクを彼に与えてしまったかもしれない。
上方のお二人、昇吉君、それから我等がぴっかりちゃんの高座はそれぞれ素晴らしかった。
けっして下を向くことはない。
そう言いたいし彼らに、彼女に拍手を送りたい。
たまたま今回の審査員がそう判断しただけのこと。
これからも自分の可能性を信じることだ。
あきらめないでバネにして明日からまた勉強して次回に挑戦してほしい。
そして、宮治君は今回の評価には関係なくまっすぐ育っていってほしいと願います。


でも

今だけ。

やけ酒飲もうか


あっそれは俺か


これからやきとん屋で、ホッピーだ。


そんな 2012.10.20


PM9

だった。


こういう戦いやファンの一喜一憂が毎年起こっていたんだなと、これを書いている今気がついている自分がいた。

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コメント

目に見えるようなご報告、有難うございます。
宮治さん、高座を拝見したことはありませんが、画像からはインパクト十分の「噺家らしさ」が伝わって来ますね。
ぴっかり様は既にスターと言っていいのですから・・・芸協から新たなスターが生まれそうなのは喜ばしいことです。

上方のお2人のこの演目は、つい最近も聴きましたが・・・「しっかり」「きっちり」の上を行く何かが必要だったのかもしれませんね。
二乗さんの『癪の相薬』は、文我師匠の復活バージョンが元のようです。
そして喬若さんの『長短』は明らかに、全国的な知名度はないものの「松鶴の芸に一番近い」「最も笑福亭らしい」とも言われる笑福亭鶴志師匠が、五代目小さんから頂き創り上げた上方版が元ですが・・・。
その鶴志版『長短』は、最早「ボケとツッコミ」を通り越して、「ヤクザと仙人」の境地に達しています。
CDもDVDも出ていますので、機会があったら是非。

投稿: 明彦 | 2012年10月26日 (金) 22時55分

明彦さんこんばんは。
今回は上方落語は残念な結果でしたが、順番では来年取りますよ(笑)
11月4日に放送されるので、お楽しみにv
猪八戒が、優勝した宮治君ですからね(笑)

投稿: ヒロクン | 2012年10月29日 (月) 20時51分

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