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2009年12月28日 (月)

文七元結

大晦日近いのに博打などで作った借金が返せない。
弱っていると娘自ら吉原に身を売って50両という金を作り、長兵衛に渡す。
その金で目を覚ました長兵衛。
絶対に来年の盆までに借金を返し娘を迎えに行く決意をしての、吉原からの帰り道。
橋の袂で集金した金を失くしたので死ぬという若者と出会い、
今持っている50両をこの若者(文七)に渡してしまう・・・・
とまぁ前半部分の荒筋はこんなところ。
で、こういうシチュエーションに自分が遭遇したら、金を渡せるかということが今回のテーマ。

落語のとおりになると分かっていれば渡すと思うが、渡せないな。
例え若者を見たとしても、見ぬふりをして通り過ぎるかもしれない。
でもね、目の前でぽっぽちゃんが50両落としたから死ぬと言われたら、厳しいなぁ。
これ自分にも娘が居る設定だからなぁ。
ぽっぽちゃんを助けると娘を裏切り、家には帰せない事になる。
逆だとぽっぽちゃんが死んでしまう。
パニックになって、状況判断できなくなってその時の勢いで渡してしまう・・・
あー長兵衛はそういう心境だったのかな。
文七をぽっぽちゃんに置き換えたことで、この落語のギリギリの心境が分かった様な気がしてきた。
皆さんもそうでしょ、落語国の文七なら出せないだろうって思うけど、相手がぽっぽちゃんなら急に現実味が増して考えてしまうでしょう。
逆に自分の娘がぽっぽちゃんだったら、文七には絶対にやらねぇ(笑)

さて楽屋での話ですが、若手の噺家がこの噺で同じように出せるか出せないか話していたそうだ。
(ぽっぽちゃんは出てきませんよ)
そこに師匠が来てこの様子を聞いていて、「自分にちょっとでも出せないという気持ちがあるなら、この話は演らないほうがいい」と言われたそうだ。
自分の気持ちを台詞で伝えるのがプロ。
迷いがあればこの橋の上での二人のギリギリの心境・心理の描写にブレが出る。
そういうことかな。
心が弱いと出来ないな。
厳しい世界だね。

この師匠に聞いてみたい。
この噺、娘がぽっぽちゃんだったら、それでも演れるかと。

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コメント

文七って、だめんずじゃん。
長兵衛も。
だめんずのおやじが見つけてきた、だめんずと結婚するのはちょっと。
…って、いまどきの子なら言いそうだ。

投稿: えれこ | 2009年12月29日 (火) 09時39分

えれちゃん こんばんは。
いつの世も、マニアはいると思うんだ。
ダメンズじゃないとダメという人もいるかもしれないよ^^

投稿: ヒロクン | 2009年12月29日 (火) 22時26分

そうか、娘はくらたまかサイバラだったのか。
あ、そうすると文七は女運の悪さから、また飛び込もうとしちゃうか。

投稿: えれこ | 2009年12月29日 (火) 22時59分

御指摘のとおり文七にお金を渡すときの心情描写がこの演目の99%を左右するといってよいでしょうね。
もっとも私の場合もし娘がぽっぽちゃんだったら、3道楽そのものを厳しく慎みます(笑)。

他の演目の話になってしまいますが、もし幾代太夫=ぽっぽちゃんだったら、俺は幾代餅を完璧に演じられる(かもしれません)。

投稿: B.Bulue | 2009年12月30日 (水) 11時13分

B.Blueさん、そうですか。なかなかのぽっぽ愛ですねぇ。
私も負けていられませんよ。
高尾太夫がぽっぽちゃんだったら、私だって気持ちの中では紺屋高尾を完璧に演じますよ。
「まけないよ!」
ウサコッツは出なくてよろしい

投稿: ヒロクン | 2009年12月30日 (水) 23時36分

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