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2009年11月10日 (火)

2009.11.07 高畑勲アニメ作品に挑む講談&浪曲の会

週末のこと、ジブリのお膝元の三鷹で催された高畑アニメを話芸で聴く会へ行ってきた。
お客さんの反応から察すると、過半数以上はアニメファンで、浪曲、講談は初めてという人たちだ。
また、ゲームやアニメのクリエータや漫画家という映像のプロの人たちの姿も見かけた。
この日の演目の原作アニメ「ぽんぽこ」と「三千里」は有るのは知っているが、見ていない作品だし、私からするとここはアウェイだった(笑)

■玉川奈々福  浪曲  平成狸合戦ぽんぽこ  曲師:沢村豊子
奈々福さんを初めて見たのは、生の浪曲ではなくて、映画だった。
沖縄のおばあを追ったドキュメンタリーもの。
ナレーターやアンカーとして登場したが、浪曲師としておばあと共演する場面もあった。
歌のうまい娘というのがその時の印象だった。
浪曲はこの日が初めてだ。
幕が左右にツーっと開くとステージ中央には浪曲の、あれは正式には何ていうのか、「幕がテーブルクロスのように掛かった台」があった。
その「台」の下手側にはプロジェクタのスクリーン画面。
奈々福さんの名前や演目などが表示されていた。
メクリや簡単なご案内の代わりだ。
浅草の木馬亭で浪曲を聞く時は、曲師は屏風等に隠されて音だけ聞こえるようになっているが、ここでは奈々副さんの上手側にある椅子に座って、伴奏(何ていうんだろうW)している姿が見て取れた。
二人の呼吸、間とかがわかってたいへん興味深かった。
名人沢村豊子師匠を生で観れるんだから、もうそれだけでこの会の価値有りだ。
浪曲の方は、あのすばらしい映像を語るのは不可能と判断して、ストーリーを追うやり方に徹したと鼎談の時に言っていた。
アニメを観てからこの浪曲を聴くのが一番よかったのだろうが、浪曲だけでも物語は十分楽しめた。

■神田陽司  講談  母をたずねて三千里~イタリアの星
40代前半以下の人達はこのアニメを見てたのだろうか・・・
奈々福さんは観ていたと言っていた。
アニメに詳しい人は、副題で「イタリアの星」と書いたらストーリーは分かるのかしら。
アニメオタクと言っても過言でない陽司先生が全52話の中から選んだのがこの副題の場面。
ストーリーをトレースするには長編過ぎる。
それから講談的に見栄えのする場面を考慮すると、この場面を取り上げることになるようだ。
序盤はつかみのギャグも入れながらブエノスアイレスまでのあらすじを追う。
そして、ブエノスアイレスでの絶望の淵から救われてコルドバへ旅立つ涙なくしては語れない場面。(らしいw)
絶望、どん底、崖っぷちの世界から、正義や愛の力で救われるという、陽司先生が好きそうな場面だ。最近聞くことの多い講談レ・ミゼラブルもそういう演出が施されている。
人称だが、アニメでの「ぼく」「かあさん」だが、本講談では「おいら」「おっかさん」にした。
その方が講談の形にはまり易いからだそうだ。
例えば織音さんとか、女性演者が演ったとしたら人称はやはり、「ぼく」、「かあさん」ではないかなと思った。

お仲入り

■高畑勲 玉川奈々福 神田陽司(司会)  鼎談
陽司先生の司会でディスカッション。
先ずは高畑氏から感想を拝聴した。
アニメを話芸で表現するという企画で、話を聞いた時から興味深かった。
今日聴いてみて、予想をいい意味で裏切って面白かった。
ダメ出しするようなところは無かった。といったコメントだ。
「三千里」のアニメ化に関してのコメント。
最終回にならないと絶対に母には会えないのが分かっていながら、虐げられては立ち上がりの繰り返しで旅を続ける。イタリア・リアリズム映画と同じだ。
多くのアニメの中にこういうのも有っていいと思ったとのこと。
確かにイタリアリアリズムの印象を受けた。
似たアニメではみなしごハッチを思い浮かべた。時期的にはハッチの方が前かな。
会場のお客さんからの質問コーナーも有ったが、全て高畑氏へのアニメに関するものだった。
いつも略称で申し訳ないが「ぽんぽこ」では、声優に多くの噺家や芸人が出演している。
台詞の録音は、映像に合わせるのではなくて、最初に台詞を録ってそれにアニメを合わせたとのこと。
はじめに台詞ありき。これは寄席者として興味深かった。
終演後には、陽司先生の宝物の一つである、「三千里」のとある場面のマルコのセル画に、高畑氏からサインをもらっていた。
この時は講釈師ではなく、一アニメファンだった。

サプライズとして最後に記しておこう。
高畑氏の最新作は「かぐや姫」、未だ本が出来たところだそうだ。
早ければ来年、再来年には観られるのかもしれないな。

鼎談(ていだん)
3名による座談会のこと。古代中国の煮炊き器具「鼎(かなえ)」が3本足であることから、こう呼ばれるようになった。
関連熟語として「鼎の軽重を問う」ということばがある。周王室の使う鼎の大きさを問い、周王朝にとってかわろうという野心をあらわにした楚の王のこと。
転じて、現政権を覆す意図を持つもののことを言う。

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コメント

「母をたずねて三千里」、主題歌熱唱したい~♪けど、今日もカラオケBOXで1曲も歌わず、稽古しました。
挿入歌のペッピーノ一座の歌も。
ハイジで、穴のあいたチーズとかドイツパンを知った子どもも多かったかと。
ワタシもその1人。
でも、憧れたはずの山羊のミルクの香りは…。
そういえば、同僚にハイジの放映開始年に生まれて、やぎ座で、名前が“ゆき”ちゃんってヒトがいます。
ひょっとして、親はあのアニメから…いや、まさか、山羊の名前からとるなんて…。

投稿: えれこ | 2009年11月11日 (水) 22時27分

えれちゃんこんばんは
やっぱりこのアニメを見た世代なんだな。
ヒロクンはアルプス育ちなので、子供の頃は山羊のミルク飲んでたよ。
それから、同僚の娘の名前は間違いなく山羊の名前でしょう(笑)

投稿: ヒロクン | 2009年11月12日 (木) 22時05分

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