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2009年2月 5日 (木)

「この落語家を聴け」は薦めません

最近出た落語関係の本にこう言うのがあった。
「この落語家を聴け」  広瀬和生著
↓アマゾンでの情報
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%AE%E8%90%BD%E8%AA%9E%E5%AE%B6%E3%82%92%E8%81%B4%E3%81%91-%E3%81%84%E3%81%BE%E3%80%81%E8%A6%B3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%84%E5%99%BA%E5%AE%B651%E4%BA%BA-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E5%92%8C%E7%94%9F/dp/4757215207

本を買う判断材料にすることの多い、目次とさわり(後書きの時も)を、アマゾンの「この本の中身を閲覧する 」でちょこっと読む。

さてその第一印象は、

第二の堀井憲一 来たな

この本を読む前の先入観では、落語素人向けに薄く広く東西様々なタイプの落語家を紹介することで、落語の面白さを伝える本かなと思っていた。

違っていた。

著者はハードロック雑誌「BURRN!」の編集長。
コア客向けの雑誌を作ってきた者だった。
ということはピンポイントを狙ってるということだ。
年間350日、1600席以上の高座を聴くそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090201/tnr0902010825005-n1.htm
堀井氏と数字で張り合っているのかな(笑)

ピンポイントとは、立川流のこと。
つまり聴けと云っている落語の頂点には立川談志が鎮座する。
そしてそれに続く立川流の噺家が落語を支えている。
立川流のバイブル。
賛美集
ただしそこまであからさまにすると、学会の本、科学の本になってしまうので、それはさけた模様。
で、後は適当に人気の落語家並べとけ!な感じ。
時々(月に一度程でいい、年に300日も行かなくても判断できるよ)落語を聴きに行く落語ファンなら特に調べなくても、勉強しなくても、過去のかわら版を読み返さなくても浮かぶあの落語家達が並べられている。
小三治・・・談志を立てたなら、本家のこちらも立てないと(笑)
志ん輔・・・談志のライバル志ん朝のDNAを受け継ぐ者。
      もしかすると来年ヤバイ人。この人も立てないと。
SWA+笑点の若手二人
6人の会
寄席のドル箱スターさん喬・権太楼
次世代の古典本格派、市馬・扇辰
女性に人気の若手のホープ(死語?) 三三・菊之丞    <敬称略>
これでこの本に(目次だけど笑)登場する7割の落語家が出ている。

年間1600席も聴いてこの程度の人選かよといいたくなる。
自分の恥を晒しているようにしか見えない。
雷蔵師、小柳枝師の味・渋さわかんねぇかな。
女流落語を築いた歌る多師、東京で本場の上方落語が聴ける鶴光師、文我師。
柳桜師の命懸けの落語とか、紹介したい噺家はもっといるはず。
上方落語はカスばかりという評価もいかがなものか。
自分が鮨が好きだからって、鮨屋ばかり薦めてどうするんだ。
ミシュラン本にするならば、自分の贔屓かどうかは別にして、様々な人の好みに合うように薦める噺家さんを選ばないとだめだ。
大騒ぎして「今聴けっ!」で2000円も払って買わなくてもいい本。
だって落語ファンなら既によく知っている人達ばかりで目新しい事は無いし、これから落語を聴いてみようという人には、前に書いたように偏りが有るので薦められない。
こんな中途半端な構成にするんだったら、自分の贔屓はこれだ「今、立川が大好き!」な立川サポータな内容の本にした方が分かりやすかったし買う人のターゲットが決まるので売りやすい。

ただ評価したいのは、林家いっ平師を選ばなかったこと。
うそ、ネタですよ(笑)
もう、今は尋目の準備で大変なんすから(笑)

アマゾンのあわせて買いたいは「赤めだか」(爆)

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コメント

この本、私の三番目の著作と同じ版元(アスペクト)から出ていますが、こういう本は買ったら(読んだら)負けなので、ぜってー買いません。堀井憲一郎さん(私の友人の高校同期らしい)と比べては堀井さんに失礼だと思います。私は別になんも怖くないので申しますが、アスペクトってブログで充分なコンテンツを引き伸ばして激薄味の書籍にしている気がいたします。(一連の美濃部家ものとか、長井好弘さんの「落語のことば」本もちょっとねぇ……)ここだけの話ですが、校正が機能してないのと、印税の支払が予告なく遅滞したのもどうかと思いました。

投稿: 松井高志 | 2009年2月 6日 (金) 14時29分

松井様、コメントありがとうございます。
>ブログで充分なコンテンツを引き伸ばして激薄味の書籍にしている気がいたします
ん~~~分かります!
仕事場の近くの書店にたまたまこの本が有ったのでめくってみました。たしかに本は厚かったですが、中身は薄かったです。
このようなコンテンツばかり出していると読者から信頼されなくなりますね。
業界の中の方なのに、勇気のある貴重なご意見ありがとうございました。

投稿: ヒロクン | 2009年2月 6日 (金) 22時28分

ま、これでアスペクトさんが裏を返してくれる可能性はなくなりましたね。さっぱりしてよろしいです。最近、中身の割に本が厚いのは単価を上げるためではないか、と思われます。新書や文庫でも、かつてのそれらとはブランドバリュー(というか「格」)が全然違いますね。

投稿: 松井高志 | 2009年2月 7日 (土) 06時52分

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