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2008年12月17日 (水)

二番煎じ

この落語は、江戸時代木枯らしの吹く寒い冬の江戸の町という設定。
乾燥しているので、一度火が出ると大火事になりやすいのは、今も昔も変わらない。
江戸では、自身番(町内の消防団)が交代で夜回りをして火事を未然に防ぐ策を施していた。
このような時代背景を噺家はマクラで、簡単に説明してから咄に入る。
この落語を聴いて「ん?」と思ったこと無いですか?
そうですか。でもヒロクンはあるんですよ。
今日はそんな話です。

夜という時間設定と、寒さをどう演じるかがこの落語の前半部の重要な聴き所。
寒い夜回りが済んで、最初のグループが番小屋に帰ってくる。
さぁ温まろうってんで、薬だと屁理屈つけて熱燗飲みーの、猪の肉を喰いーので盛り上がっているところに役人がやってくる・・・
とまぁこう咄が進んでいく。
薬だと言い訳しないと、この落語のタイトルもオチも無いわけですけどね。
ここで「ん?」と思ったんですよ。 





 

「肉喰ってもいいすか」



「鹿政談」の例もあるが、生類憐れみの令や仏教の影響もあり、動物の殺傷・食肉は禁止されていた時代じゃなかったか。

この落語が証拠に、喰ってたんですね。
多くの人が食べていたというよりも、食べる人は食べたとというレベルでしょうか。

猪を「牡丹」、鹿を「紅葉」、馬を「桜」、鶏を「柏」と今も呼ぶことがある。
これは名前を替えることで、表向きは肉料理では無いとしたという説がある。
こうして名前を替えて、実は日常でも肉を食べることはあったんじゃないかな。
「二番煎じ」の落語での猪肉料理は、演者にもよると思いますが、そのまま焼いたのか煮たのかどういう料理なのかハッキリしてない。それから上方と江戸でも料理に違いがある。
小三治師の口演だったと思うけど、ネギと一緒に甘辛なだし汁で煮たものという料理の設定がある。
ネギばかり喰う男が実はネギに隠して肉を喰うという場面があった。
褌が汁で汚れる場面とか。
小三治師の演出だと、この落語での猪料理のイメージは、すき焼きに近いものといえる。
猪は、ほぼ豚ですな。
関西の人は違和感があるかもしれないけど関東のすき焼きは豚肉もOK。
というか、家庭でのすき焼きはほぼ100%豚肉(えっ家だけかい?)。
牛肉は、何かの祝辞、イベント等特別な時に食べるもの。
だから猪のすき焼き風料理は違和感なく、「あぁ、江戸時代も普通にすき焼きしてたのね」
という結論に何の文句も無いのです。

その牛肉ですが、これは牡丹や紅葉のような隠語を聞きませんね。
江戸時代は、牛は食べてなかったということなのかな。
同じ貴重な使役動物の馬の方は喰うんですけど・・・
牛は明治になってから食べる事を許されたということかな。
「せやよってに牛肉を卵でぇとじた丼を、開化丼って云おんや。」
(↑もんじろうによる大阪弁変換を使用)
と大阪の人は思うんじゃないですか。

でも、開化丼も関東では豚肉が一般的なんですよねぇ(笑)

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