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2007年12月12日 (水)

2007.12.09 桂三風の早起き寄席

1年ぶりとなった大阪天満天神繁昌亭寄席鑑賞です。
相変わらず繁昌で、早朝寄席でも満席です。
このところの落語ブームに、ちりとてちんが更に拍車をかけているのかもしれません。
開演少し前ですが、おなじみの携帯電話マナーや写真撮影録音禁止の場内アナウンスが大阪弁だったので、すごく新鮮だった。っていうか笑ってしまった。
二番太鼓が鳴り止むと、やがて幕が上がります。

■桂しん吉  落語  鷺とり
座布団の前に見台がある。上方だなというのが第一印象。
初めて聴いた噺だった。
鷺を捕まえた男が、その鷺達に飛ばされて天王寺の五重の塔頂に下ろされてしまう。
SFちっくな噺。東京だと弥次郎とかたまに聴きますが。
上方では他にも「地獄八景亡者戯」とかSFぽい噺を聴きますね。
サゲが、「一人助かって四人死んだ」とブラックユーモアな根多でした。

■桂三風  落語  時うどん
今日はこの師匠の独演会でした。その前高座。
三風師匠は三枝一門。新作派で自作の数は150本を超える。若そうに見えますがキャリアは20年以上。
http://www.kamigatarakugo.jp/profile/2004/02/post_148.html

マクラ話でですが、上方の噺家さんも「ちりとてちん」を結構みているようです。
結構寄席仲間が出演しているらしい。下座のお姉さんなんかも。

根多ですが、時そばの原型ですね。
木戸で配った時刻表は思っていた通りこの根多の伏線でした。
「時そば」と細部はかなり異なります。この違いで興味深い点を少し書きます。
ストーリーの骨子は、廓の帰りの二人組がうどん屋をだまして十五文でうどんを喰い、粗忽者の相方が翌日一人で真似をするもの。
時そばは一人で騙し、そばで見ていた他人の男がが翌日真似をするものだが、噺としては、側で他人が(隠れて一部始終を)見ているというより、一緒にいた相方が真似る上方版の方がリアリティがあって良いな。隣にいなきゃ会話の聞き取りや行動の細部を見届けるのは困難だと思う。
代金を数える場面ですが、上方は今何時>五ツ なんです。四ツじゃない。
前のエントリに貼った時間表を見てわかるように、五ツは九ツから2時間~4時間前とかなり早い時間に真似をした事になります。
東京版の時そばの方は四ツ。0~二時間前。つまり昨日と全く同じように真似たが、時間がほんの少し(下手したら15分位早かっただけなのかもしれない)早くて失敗したからオチが効いている。と、これは後から出来た東京版の方が良いな思います。まぁ早く試したくてうずうずするのもわかりますが(笑)
聴き比べると更に違いが分かって面白いだろうな。
蕎麦とうどんのすする音の違いを聴き比べるとか。
三風師匠の演出ですが、相方に袖を引っ張られる仕種等二人いる場面の仕種と、翌晩一人で袖を引っ張られている真似をしている場面で一人らしさを強調した仕種を使い分けていたのが上手かった。細かいところだけど。

■林家そめすけ  落語  新作 人生相談
林家さんは上方でも漫談、新作なんですね。(笑)
漫談、物真似、ジャグリングというのがマクラの時間帯の演技。
根多は、ボイスチェンジャー、すりガラスという人生相談セット?を使用した、TVワイドショーでおなじみの人生相談のパロディでした。
笑った。

■桂三風  落語  君よ、モーツァルトを聴け!(作・桂三枝)
三風師匠の後高座。トリじゃないんですね。
そめすけさんの高座の後一旦緞帳が下がり再び上がると、高座下手奥に一台のキーボードが置かれていた。
高座には見台は無し。座布団だけが中央に置かれていた。
そして三風師再び登場。
根多は、近所の医者宅に魚屋がお造りを持ってきた所から始まります。
この医者は、娘のピアノを聴きながら酒を飲むのが楽しみだというところで、ピアノの先生がお嬢さん役で登場。
太田胃散、イナバウワー、下校の音楽を弾いて、魚屋がそのとおりなボケ、医者が正しい曲名でツッコむとというベタな展開で噺が進む。
モーツァルトの蘊蓄を聞いて家で真似をする魚屋という、現代版「青菜」という感じの作品でした。
初めて聞いた根多でした。調べたら師匠の三枝師匠の作品だった。
小根多満載で面白かった。

■笑福亭三喬  落語 月に群雲  作・小佐田定雄
「落語界のプーさん」と自己紹介しました。(笑)
確かにクマさん顔の47歳。
マクラが面白かった。
メイドカフェへ友人と初めて行った。
「いらっしゃいませご主人様」と言ってついた女の子がらんちゃん。
アイスコーヒーを頼むとインスタントのアイスコーヒーを作って持ってきた。
「らんちゃん、何処から来たの」と聞くと、
「ショコラの森」だそうだ。クマおじさん少しムッとする。
らんちゃんが、持ってきたアイスコーヒーに美味しくなるおまじないをすると言う。
両手をグーにしておでこの左右横当たりに持ってきて「モエモエ、プン」
クマおじさんかなりプチっとくる。
そしてアイスコーヒーを飲んでみた。
美味しくなった(笑)    こんな根多でした

こう言う漫談根多を続けるのかなと思ったら、ちゃんと新作落語をやりました。
「小佐田先生の作品を演ります」と言って始めた。
練られた本でさすがに引き込まれ、最後の場面は「首と手はこうきたか」で笑いました。
詳細のストーリーを知りたい方はこちら↓
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug302.htm
東京の新作、圓丈師匠やSWAの作品も良い。善くも悪くも自分の目線で見て描いた作品が多い。必ずしも老若男女全てに受けるかは疑問な作品もある。
この作品もそうだけど、小佐田作品は万人受けするものなのがスゴイ。トンデモ派とは対極だ(笑)
調べたらヒロクンが好きな噺の一つ「マキシム・ド・ゼンザイ」も小佐田作品だった。

「月に群雲 花に風」
この意味を、この噺に影響させているところもさすがです。

今回の落語会は、実は最初から知っていて前売り券を買った分けではなくて、この日繁昌亭で落語を聞く目的でチケぴを見たら、昼の部が既に売り切れで、朝の会しかチケットが無かったからなんです。しかし、ふたを開けてみたら大正解。
コテコテの上方古典と新作が聞けて十分楽しめました。しかも昼よりお安い料金・・・
来て良かったです。

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